イライラする 不安が強い

イライラする 不安が強い

更年期になると,卵巣からの女性ホルモンの分泌が低下することにより,様々な身体的・精神的変化を引き起こすことはよく知られています.一方で更年期は,女性自身にとってもまた周囲の者にとっても様々な節目を迎える時期でもあり,精神・心理的な要因や社会・文化的な環境因子などが複合的に強く影響することで,更年期女性には多種多様な精神症状を出現させることにも繋がります.

そのような精神症状の代表的なものに,「イライラ感」「不安感」「不眠」などがあり,これらは更年期障害の症状として捉えられます.「のぼせ」「発汗」など血管運動神経症状とともに「イライラ感」「眠れない」といった精神神経症状を認める場合は,ホルモン補充療法が有効な場合もありますが,精神神経症状が強い場合には,「不安神経症」「睡眠障害(不眠症)」という病名の方がふさわしいこともあり,婦人科のみならず心療内科や精神神経科での加療を必要とする場合もあります.