理事長ご挨拶

理事長2期目を迎えて(平成20年5月)

日本更年期医学会
理事長 水 沼 英 樹

 理事長に就任して早くも2年が過ぎました。この間、皆様のご指導とご尽力を賜り、長年の懸案でありました更年期医学会認定制度も骨格をまとめることができ、今年度からはいよいよその運用が始まることとなりました。会員の皆様には是非とも認定制度の趣旨をご理解いただき、よりよい更年期医療の実践を目指してこれからも更年期医学会に参加くださいますことを願っております。また平行して更年期ガイドブックの編集を企画して参りましたが、それも今年には上梓できることになりました。

 更年期ガイドブックでは更年期医療を産婦人科医が行うプライマリーケアーとして位置づけ、高齢女性の抱える医学的諸問題を多角的、多面的にまとめております。認定制度とガイドブックの完成はいわゆる更年期医療においてソフトとハードウエアの両面がそろったことを意味するものであり、我が国の更年期医療の標準化を行う上で大きな役割を果たしてくれるものと期待しております。これらの事業に関わってくださいました一人一人の皆様にこの場を借りましてまず御礼申し上げたいと思います。

 2期目に当たり、執行部の陣容も新しく変えさせていただきました。これまでの伝統をどのように継続し、かつ新鮮さをどのように創世していくかは学会と言う組織の活力を維持していく上できわめて重要な課題ではないかと考えております。また、更年期医学、更年期医療の学際性をどのように拡大維持して行けるかは本学会の発展を考える上できわめて重要です。このため、2期目では学会に機動性をもたせ、特に若手医師や産婦人科医以外医師が魅力を持てる学会にすること、さらにコメデカル会員がいっそう活動しやすい学会に発展できることを目標に運営を行なって行きたいと考えております。また、2013年には第5回のAPMF(Asia Oceania Menopause Federation)の日本開催が決定されました。学会の国際性として、これまでは主として欧米にのみ目を向けがちでしたが、今後はアジアとの連携をも深めることも視野に入れて学会を盛り上げて行きたいと考えております。

言うまでもなく、高齢化社会の到来を迎えた我が国において、高齢女性のQOLをいかにして守り維持して行くかは最もプライオリティの高い課題の一つとなり、更年期医学会の責務はますます重要となっております。本会は、「更年期・老年期の生理、病理及び実地臨床に関する研究の進歩を図ること」と「もって、人類・社会の福祉に貢献する」ことの2つの理念をもっておりますが、この理念が到達できるよう粉骨砕身尽力致しますので引き続きご指導のほどどうぞ宜しくお願い申し上げます。

平成20年5月